2018年3月19日
VERSION(全2巻)
坂口尚/2000年/講談社/文庫
1989年から1991年にかけて『コミックトム』(潮出版社)で連載されていた作品。わりとハードめなSF作品。彼の作品は『 石の花 』が最初だったので、作品内容のふり幅の広さと深さにただただ驚かされた。
SFに対する教養がないので、こういう作品に対峙したときに何を軸に読んでいいのかわからないのだが、押井守監督のアニメ映画『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』の前哨戦という感覚は強く受けた。コンピュータの急速な発展を体に感じながら、しかし70年代はそれほど技術は進んでいないので「きっと未来はこうなるだろう」というその時点での未来予想図だ。
だから2017年のいま読むとコンピュータに対する感覚は若干古臭いというかズレてる感が強いのだが、抽象性の強い漫画の底の深さというか、芸術性の高さというか、日本の漫画はやっぱり凄いんだと思い知らされる作品だった。
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