2018年3月19日
総員玉砕せよ!
水木しげる/1995年/講談社/文庫
90%実話らしい。
あとがきによると、ストーリーの中では最初の玉砕がぐだぐでに終わった後にもう一度玉砕する展開になっているが、実際には2度目の玉砕がないままに終戦を迎えたらしい。2度目の玉砕で主人公の丸山(水木しげる)は死ぬので、この部分が脚色ということになるのだろう。そう思うとまさに紙一重だったということがわかる。
この漫画で繰り返し書かれるのは、「なぜ日本から遠く離れた島で玉砕しなければならないのか?」という圧倒的な虚しさだ。上官にそういう疑問を言おうものならすぐにビンタされる。上官がこんな理不尽な対応をするのも、彼らもその理不尽さに対する明確な答えを持っていなかったからだろう。
死なばもろとも精神というのは日本の良い部分も悪い部分も抱えていて、今の日本人のメンタリティの中にも強く残っている。だからこそこの当時の戦争において何故兵士たちは玉砕という選択を各所でさせられたのかということについては何度も思い起こして教訓にしなければならないと思う。
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