2018年3月20日
鳥山明○作劇場 3
鳥山明/1997年/集英社/新書
このシリーズの1、2は『ドラゴンボール』より前に描かれていて中学生の頃に読んだ記憶がある。その後、鳥山明氏に関してはほぼ追いかけていなかったのだが、まさか40を過ぎて3を読むことになるとは思わなかった。
3を読んでみて率直に1、2のようなインパクトは感じられなかった。僕が歳をとったということが原因だということを割り引いても、何というか作品に対する熱量が薄いというか、キャラクター1人ひとりのエッジが効いていないように感じられる。おそらくジャンプ時代に死ぬほど「強いキャラクターを作れ!」と言われ続けて、著者自身がほとほと嫌になったのではないかと想像する。
それくらい漫画においてキャラクターは重要で、だからこそ『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』は名作になりえたのだが、それらの作品を作る過程で漫画か本人は疲弊していったのかもしれない。今回読んだ3はおそらく、そうした強いキャラクターを作ることよりも本人が描いていて楽しいと思える漫画を描いたのではないだろうか(失礼な言い方だが…)。そんな作品たちだった。
『行け!稲中卓球部』の古谷実氏のようにギャグ漫画家からの転向後に全然違ったテイストで漫画を描くということもできたのではないかと思うが、彼が作った『ドラゴンボール』が偉大過ぎて、その作者のイメージを壊すことまではしなかったのかもしれない。
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