2019年11月28日
カルテル・ランド
監督:マシュー・ハイネマン/アメリカ/2015年公開/ドキュメンタリー

『 皆殺しのバラッド 』に続いてメキシコ麻薬戦争のドキュメンタリーを見た。こちらはテンプル騎士団カルテルというメキシコマフィアの横暴に立ち向かうために地元民が結成した自警団の活動を追いかけた作品だった。
テンプル騎士団カルテルというマフィアは名前からも分かる通りキリスト教系の新興宗教のような側面もあり、他のマフィアと比べると穏やかというか比較的安定しているとネットニュースでは報じられていた。しかし、実態はやはりマフィアなので横暴の数々が地元民を苦しめていたようだ。
そもそもなぜ警察ではなく自警団なのかと言うと、メキシコマフィア関連に関しては警察も司法もほぼ機能していないのが昨今のメキシコの状況のようだ。それはどこかトルコの自警団にも通じるもので、結局自分たちで銃を取って家族を守るしかないという原始的な世界にまで追い込まれているということだ。
ドキュメンタリーの後半では自警団自体が地元民とトラブルを興すケースなどもさん出てきたり、時にはマフィア化しているケースも有るようで、なかなか出口なしの悲惨な状況である。秩序というのは一度崩壊すると、そしてそれを悪用することで生計を立てる犯罪組織が大きくなりすぎると、それをもとに戻すのにとてつもない労力が必要だということがよくわかるドキュメンタリーだった。
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