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2020年9月22日

河井寛次郎展

2018年8月19日/14:00-15:00/パナソニック汐留ミュージアム

超一等地にある汐留美術館はパナソニックが運営しているらしい。無駄とも思える空間をしっかり確保して美術館が作られており、ゼロ年代以降弱体化し続けた日本のトップ企業の矜持みたいなものがほんのちょっとだけ見える。

河井寛次郎については僕の義理の兄が好きだったこともあって少しずつ見るようになった。それまでは彼がやっていた「民藝」のムーブメントすら知らなかったので、自分の美術の関心領域を少しだけ拡張してくれた存在として、僕の中でも河井寛次郎は常に気になる存在になっている。

で、河井寛次郎展について。

正直どう見ていいのかよくわからないままだったw

素朴な感情やイメージをごつごつとした造形のなかで表現しているように見えなくもないのだが、個人的な趣味としては樂焼のようなミニマルな世界のほうが好きだったりする。ややコミュ障の僕がそういう感想に至ってしまうのは、「何を表現するのか」ではなく「誰に表現するのか」をいう作家の視線に影響している可能性があるのかも…と思ったりするのだがどうだろうか。

彼やその仲間が続けていた民藝運動について。彼が伝統的な陶芸というジャンルに於いて、古いものと新しいものを上手に融合させながら民衆の感情に寄り添った形でそれらをアップデートするという試みやそこで提起された課題というのは、今も大して変わっていないようにも思えた。民衆とは誰か?という問題が今はやや複雑化している可能性があるが、これはまた別の話だろう。

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