bemod

2020年12月31日

みんなちがって、みんなダメ

中田考/2018年/ベストセラーズ/四六

日本人でありながらイスラーム法学者として独自のポジションで言論活動を続けている中田氏の本を読了。インタビューをもとにライターが書き起こした文章に朱入れしたような本だったので、以前読んだ『カリフ制再興 ― 未完のプロジェクト、その歴史・理念・未来』のような熱のこもった内容というわけではなかった。

とはいえ、日本における彼のスタンスはとてもユニークであり、彼の思想は僕が現代を考えるうえでとてもいい指標になってくれている(良くも悪くも)。日本の教育はやたらと「自己肯定感」を盛り上げて『君たちはどう生きるか』のような生き方を奨励しているように見える。その行き過ぎにしんどさを覚えた人には中田氏の本はとても良い心の支えになってくれるのかもしれない。

興味深かったのはTwitterの話。中田氏は新左翼の分裂期における過激なやり取りはTwitter上の言論空間があれば何とかなったかも…と書いていたが、先日、落合陽一氏のトークイベントでが逆にTwitterで喧嘩してるような奴らってリアルで話せば数分で友達になれたりすることもあると言っていて、そうした裏返しの話もなかなかだった。

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