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2017年12月5日

将棋序盤の指し方入門 羽生善治のみるみる強くなる

羽生善治/2009年/池田書店/A5

将棋序盤の指し方入門ルールだけ知っているだけでは将棋は勝てない。定跡と言われる最適な差し手をたくさん覚えることが強くなるカギになっている。将棋に夢中になっている人にとっては定跡の暗記は楽しいものかもしれないが、僕のような中年になってから将棋に興味を持った人にはちょっと苦痛だったりする。

この本でも定跡は出てくるものの、それだけに注力されているわけでもなく、かといってルールを懇切丁寧に教えるだけではないという、ちょうどいい感じの入門書(導入書)だったので読みやすかった。おかげで将棋に対する熱がさらに高まったので、毎日ネットの将棋をするようになった。

面白いことに将皇あたりだと定跡を覚えていくと勝てるようになる。少しコンピュータの強さのレベルを上げても定跡どおりに進めばやはり勝てたりする。つまり攻略法を駆使すれば勝ててしまう。

ところが、定跡から外れてガチの勝負になると途端に負けてしまう。このあたりが面白いところで、定跡にのって上手く勝てたとしてもそれが将棋の実力かと言われるとなかなか難しいところなのだ。

別の分野でも似たような話はある。例えば数学でも高校数学くらいまでは暗記すれば解けるようになる。だからといって数学が得意なのかというと微妙なところで、そこから先、定跡のないような世界に踏み入れたときに自分の数学力がどれくらい発揮できるかというところで真の力のようなものが見えてくるのだ。

普段の生活ではその2つの力の見分けをつけることは難しい。定跡どおりに進んでいれば最適に仕事を進められる人でも、一歩定跡から外れた途端ダメになる人もいるし、そこから力を発揮する人もいる。将棋はそういう人の人生観も垣間見えて面白い。だからこそコンピュータとばかり将棋していてはダメで、やはり将棋会館に行くしかないな!と思ったのだったw

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