bemod

2017年12月13日

弁護士だけが知っている 反論する技術

木山泰嗣/2012年/ディスカヴァー・トゥエンティワン

弁護士だけが知っている 反論する技術最近めっきり本を読まなくなったので、すぐ読めることで有名なディスカバー21の本でさえ時間がかかるようになってしまった。本を読むモチベーションがなくなったというよりは、空いた時間にスマホを使うケースが増えてしまって、本を読んでいる間でもちょくちょくスマホを手にしていた。

それはともかく、こういう本を読む人というのは本を手にした瞬間に目的の半分が達成されていると言ってもいいかもしれない。というのもタイトルに「反論する技術」とあるように、上手い反論ができずにもやもやしてる人が手に取っているに違いないからだ。

そういう人が反撃に転じよう(そこまでいかなくても何とか上手くやろう)と思って本を手に取るわけで、その前向きな精神が芽生えた時点で、そしてその精神に対価を払った時点で目的の半分は達成されたといっていい。ディスカヴァー21の本というのはそういう本だと思っている。

内容的には目次を見ればだいたいわかるような内容で、書いていることもその通りだなとしかいいようがない。だったら読まなくていいのかというとそうではなく、気持ちを整理するときにはバカ正直にわかりきったことでも頭の中で丁寧に理解していくことは重要だと思う。

欲を言えば、ベタなビジネス本に落とし込むのではなく、法廷で起きた具体的な事例を上げながら、上手く反論できなかったときの失敗談や、逆に思いがけず上手く反論できた時の成功例などを挙げて説明してくれたらなお面白い本になったと思う。そういう意味ではちょっと物足りない本でもあった。

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