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2017年12月14日

不格好経営 ― チームDeNAの挑戦

南場智子/2013年/日本経済新聞出版社/四六

不格好経営 ― チームDeNAの挑戦この本を読んでDeNAのイメージが変わった。

経営コンサルタント出身の女性経営者が創業した会社ということで、DeNAに対しては生理的に嫌な感じが持っていた。その嫌な感じというのが何なのかを上手く説明できないのだが、おそらく華麗なキャリアの持ち主がその才能を生かしてスマートな経営をしているという印象を持っていたからだろう。

その印象が良い意味で裏切られた。そして凄いなと思った。

仕事の失敗を認めたうえでそれを次に生かせる実直さ。世間には失敗しても言い訳ばかりな人や人間関係の調整などでリスクを減らそうとする人は多いが、彼女のように仕事に真正面からぶつかっていける人は少ない気がする。さらにユーモアがありながら人間を見る目はとてもシビア。そのバランス感覚は素晴らしいと思う。このあたりの感覚は才能に裏打ちされているものかもしれない。

凄いところは他にもあって、それはDeNAがIT企業として後発にもかかわらず黒字化させることが上手いことだ。このからくりは企業秘密だろうから詳しくは書かれていないが、この点に関してはサラリーマンとしてただただ感服するほかない。ひとことで言えばリスクをとっているということだが、もう少し厳密に言えばリスクに対する処理能力が高いということかもしれない。

ともかく自分にとって学ぶところの多い本だった。

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