2017年12月27日
拝金
堀江貴文/2010年/徳間書店/四六
ホリエモンの自伝的小説を読了。
書いてあることの大半は事実を脚色して書いているので文学で言うところの私小説として取り扱っても問題ないと思われる。ただし文学界隈の人はホリエモンのことはたぶん好きではないので圧倒的にスルーされていることは容易に想像できるが…。
この本では普通の大学生だった青年が学生時代に起業しIT企業として大金を手にし、それを失うまでを書いている。それは著者がライブドアの成功とその後の失速の人生をそのままなぞっているようだった。主人公の藤田君の成功の裏側にあったものはIT企業特有の高い技術力というよりは、それ以外の要素だったのだなということをこの本を読んでいて実感させられた。
例えばそれは人間関係だったり、才能だったり、運だったりする。人間関係も才能もすべて「運」だと言ってしまえばそれまでだが、その要素はかなり大きい。運と対極にあるものとして「努力」も必要だ。しかしそれは運を引き寄せるための方法であって、最終的に運に見放されてしまえば努力しても成功はしない。
このことがお金にまつわる世界の困難さだろう。
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