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2017年12月27日

ゼロ ― なにもない自分に小さなイチを足していく

堀江貴文/2013年/ダイヤモンド社/四六

ゼロ ― なにもない自分に小さなイチを足していくホリエモンの自伝。『 拝金 』よりダイレクトに自分のことを書いているので、エンターテイメントとしてのホリエモンの側面を必要としないならこちらを読んだ方がよいだろう。

なぜだか知らないがホリエモンの考え方は共感できる部分が多い。彼に対するアンチが多くいることは知っているが、そのアンチの意見というのは僕が日頃職場などで感じている違和感とよく似ているのだ。大きく違うのはホリエモンはそうした違和感と対峙しそれを克服して成功しているのに対して、僕はリスクを取らずに流されるままに生きている点だろう。

この違いは大きい。そしてこの本を読んでいる読者(ホリエモンへの憧れを少し持っている人)の中に僕のような人は多いように思う。頭ではわかっているのに…とか、理屈では分かっているのに…とかそういう感覚は常にあって、でも結局はリスクを取れずに楽なほうというか損しないほうに流れている。ある意味で賢明な選択をしているわけだが、その選択に対する違和感というか自分に対する自己嫌悪も同時についてまわる。

いっそのことリスクを取らない自分に開きなおって、職場の中でそうした連帯(村社会的な共同体)に寄り添ってもよいのだろうが、それもできずに苦しんでいる。苦しんでいるからこそホリエモンの本を読みたくなるのだ。彼の突き抜けた意見は多くの保守的な職場で開き直ってる人たちには決して同意を得られないだろうが、僕のようにそこで開き直れずに苦しんでいる人にはほんの少しの救いの本として機能していたりもするのだ。

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