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2018年1月9日

嫌われる勇気 ― 自己啓発の源流「アドラー」の教え

古賀史健、岸見一郎/2013年/ダイヤモンド社/四六

嫌われる勇気 ― 自己啓発の源流「アドラー」の教えなかなか面白い本だった。

哲人と青年の対話形式になっており、難しい言葉も登場しないので読みやすい。ライターの古賀氏が青年で心理学者の岸見氏が哲人という役回りなのだろう。青年の悩みが素朴で共感できることもあって、対話の内容がすっきり頭に入ってきた。

この本を読めばアドラーを理解できる、というほどの本ではないけれど導入本としてはかなり良いように思う。特に僕のような門外漢にとっては自分の「考え方」を再考するいいきっかけにもなった。僕は知らない間にすっかりフロイト的な原因論に立脚して生きていたのだと気づかされたのだ。

また、僕自身はどちらかと言うとアドラー的な目的論として生きていたんだなとも思った。まわりから「自分勝手だ」とか「空気を読まない」と思われていることが多く、僕はそこを乗り越えて生きるしかないと思っているところがあったので、そういう生き方がアドラーの主張とわりと近いところにあり勇気づけられもした。

日本には原因論(あいつのせいで僕はこうなった)のような考え方がとても深く浸透していて、ある種のそれ自体が国民性を形成しているとさえ思うときがある。承認欲求へのまなざしが普遍化しており、他者の思いをくみ取って社会を形成することが善とされているからだ。そうした考え方に別の見方を提示したのがこの本だと言える。もしかしたら個人主義が浸透しているアメリカやフランスではこの本の印象というのはまた違ったものになるのかもしれない。

本には次のように書かれていた。

行動面の目標
・自立すること
・社会と調和して暮らせること

心理面の目標
・わたしには能力がある、という意識
・人々はわたしの仲間である、という意識

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