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2018年5月17日

聖域 関東連合の金脈とVIPコネクション

柴田大輔/2016年/宝島社/四六

聖域 関東連合の金脈とVIPコネクション元関東連合リーダーが書いた『 いびつな絆 』『破戒の連鎖』に続く3作目のノンフィクション。前2作が工藤明男とう筆名で書かれていたのに対して今回は本名で書かれている。

この3作は僕が今まで読んだどのノンフィクションとも違っていた。まず「誰の為に書かれたのか?」ということからして違う。世間に真実を伝えたいという目的で書かれているというよりは、関東連合という狭いコミュニティの中で様々な情報が飛び交って全員が疑心暗鬼になっている状態を何とかするため(仲間内への弁解のため)に書かれている。だから書かれている内容が他のどんなノンフィクション作品より生々しい。

著者の柴田氏は1作目を書いたことでヤクザから命を狙われるなどいろいろな困難にも直面したようで、その後の経緯もこの本には詳しく書かれている。僕はこの本をただただ面白いと思って読んだ。アウトローが好きな本としては一番のクオリティではないかとさえ思う。

どのアウトロー本にも共通することだが、アウトローとしての矜持のようなものが書かれている一方で、何かにつけて金の話が湧いてくる。まさに湧いてくるという表現がぴったりだと思うのだが、何かしらのトラブルだったり、言葉の祖語だったり、とにかくちょっとしたことで金の話が出てくるのがアウトローの世界だ。そして、普通のサラリーマンをしていると考えられないような大金が当たり前のようにやりとりされているこの世界にあこがれを抱く人が多くいることも不思議な話ではない。

アウトローな存在というのは資本主義が生み出したアナーキーな人たちである。僕が興味を持つのはそうした側面なのであるが、そこにあるのは結局のところ「心」ではなく「金」だという現実が何とも悲しい。

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