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2019年4月5日

12色物語

坂口尚/2002年/講談社/文庫

12色物語

元々は潮出版社から出ていたコミックスを講談社が文庫化したもの。潮出版社というのは創価学会系の出版社だけど、『 石の花 』を出したのもここの会社だし手塚治虫作品をはじめ数多くの名作を世に出している。宗教と出版社の関係だけでフィルターをかけては見えてこない世界というのもきっとあるのだろう。

本作はこの前読んだ『 たつまきを売る老人 』よりはずっとストーリーに腰が入っていた。アブストラクトな作品から物語のある作品作りにシフトしていった時期なのかもしれない。事実、この作品の後にユーゴスラヴィア内戦を描いた名作『 石の花 』は描かれているのだ。

彼の作品に手塚治虫っぽさが感じられるのは彼が虫プロのアニメーターだったこととも無関係ではないだろう。ただ、それ以上に80年代のサブカルチャーの空気を背に受けつつ、既存の漫画のフォーマットにとらわれない天才肌のずば抜けた才能も感じさせる。

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