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2017年12月26日

笑う奴ほどよく眠る 吉本興業社長・大崎洋物語

常松裕明/2013年/幻冬舎/四六

笑う奴ほどよく眠る 吉本興業社長・大崎洋物語西岡研介『 襲撃 中田カウスの1000日戦争 』が面白かったので、その騒動の渦中にいた吉本社長の本を読んでみることに。カウス襲撃事件の話題にも触れていたがそれ以上に面白い本だった。

大崎氏はダウンタウンを世に出したことで有名になった人というのが世間の認識だろうと思う。『ガキの使い』でダウンタウンのマネージャーとして登場したこともあったので僕もそう思っていた。ところがこの本を読むと、大崎氏はダウンタウンのマネージャーになったことは一度もないそうな。

しかも大崎氏は出世街道で見ればずっと傍流を歩いていた人のようだ。もともとダウンタウンを育てたのだって当時メインストリームではなかったし、ダウンタウンが東京に進出した後にはダウンタウンの担当を外されて吉本新喜劇に関わっていたらしい。どんな状況でも腐ることなく与えられた仕事に全力で取り組み、また何もないところから仕事を創出して成果を出し続けてきたところに彼の素晴らしさはあると思う。

西岡研介『 襲撃 中田カウスの1000日戦争 』にも書かれていたが、吉本という会社は平和な会社ではなく常に社内政争あるバチバチの会社のようだ。それがプラスになるのかマイナスになるのかは結果論でしかわからないものの、会社に緊張感が生まれることで新たな化学反応が起きていることは間違いない。

未来のことは誰もわからないのだから、結局のところみんなが自分の力を信じて思うままに仕事をするしかない。まわりの空気を読み合って結果リスクを取らないのは最悪だ。特にエンターテイメント産業ではリスクに負けたら明日はない。自分の働く会社はむしろ逆の方(つまりリスクをいかに取らないか)に力を注いでいる社員が多いこともあって、いろいろな意味で刺激を受けた本だった。エイベックスあたりも激しそうなのでぜひこういう本を出してほしい。

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