bemod

2017年12月28日

「宮本三郎の仕事 1940’s-1950’s 従軍体験と戦後の再出発」展

2014年11月29日/14:30-15:30/世田谷 宮本三郎記念美術館

「宮本三郎の仕事 1940's-1950's 従軍体験と戦後の再出発」展超久しぶりに 戦争と芸術 関連で美術展を見に行った。宮本三郎記念美術館に行ったのは2005年の 宮本三郎展 ― 従軍の記録 そして生の讃歌へ 以来9年ぶり。相変わらず人は全然入ってなくて、客は僕を含めて3人くらいだった。これで成立するんだから美術ってすごい世界だなと思う(良い意味で)。

今回の展示会の正式名称は、2014年度第Ⅱ期収蔵品展「開館10周年 宮本三郎の仕事 1940’s-1950’s 従軍体験と戦後の再出発」とのこと。2005年頃は戦争画の魅力に取りつかれていてこの手の展示会があるとどこにでも足を運んでいたのだが、最近はどこで何をやっているかもわからないし、どの程度研究が進んでいるのかもわからない。受付で別冊太陽から『画家と戦争』というムック本が出ているのを発見し(それすら知らなかった)、帰りに購入した。

一応、戦争と芸術 関連の話題は僕の生涯学習だと位置づけている。今はすっかりドルヲタになり下がっているけれど今回のような展示会には定期的に足を運びたいと思う。久しぶりに見た大型のキャンバスに描かれた戦争画には独特の迫力があり、変な言い方だが迷いも感じられた。その迷いを自分で打ち消すようにして描いているのが戦争画だという気持ちがしているので、そのあたりをどうくみ取って自分なりに解釈できるかというのも、この手の絵画を見ていく上での今後の課題になるだろう。

細かな発見としては、《山下・パーシバル両司令官会見図》の下絵が公開されていてそれは本物とは若干タッチが違う。本物のほうが下絵より写真に近い描写なので、そこに何かしらの迷いがあったのではという気持ちがある。本当は下絵のようなタッチを望んでいたが、これを見る人(それを望む人)を思ったことでより写真に近い絵になっていったのではないだろうか。

そして9年ぶりに見た《飢渇》。これは題材を与えられた献納画でありながら、《山下・パーシバル両司令官会見図》とは違った意味で写実的に描くことに意味を見いだしている絵だと思う。

(関連)戦争と芸術

イベント[芸術]  「宮本三郎の仕事 1940’s-1950’s 従軍体験と戦後の再出発」展 はコメントを受け付けていません