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2017年12月28日

不良録 ― 関東連合元リーダーの告白

石元太一/2012年/双葉社/四六

不良録 ― 関東連合元リーダーの告白工藤明男『 いびつな絆 』『破戒の連鎖』、瓜田純士『遺書』に続いて関東連合関連の本を読了。出版年だけで見ると前の3冊よりこの本のほうが古い。そもそも石元氏はこのブログを書いている2015年1月23日現在、逮捕されて檻の中にいる。

この本を出版した当時の石元氏は俳優として映画に出演し、総合格闘技のジムの運営を始めている頃だ。ゼロ年代半ばからずっとアウトロー板を追ってきた者としては彼が元不良という肩書でメディアに登場したときに驚きがあった。というのも彼が過去に犯した罪の大きさに加えて元不良ではなく現在進行形の不良だと思っていたからだ。事実、彼はこの本が発行された2か月後に逮捕されている。

先日読んだ清水潔『 殺人犯はそこにいる 』は警察の社会秩序に対する考え方がおかしな方向へ流れていったと感じたが、今回はその逆だった。警察はずっと関東連合や彼の動きを注視していたのだと思う。なぜなら警察は半グレを放置することが社会の秩序を乱すことにつながると考えているからだ。

興味深かったのは、著者が関東連合という組織を集団意識と同調圧力という2つのキーワードで説明していた点だ。突然 浅間山荘事件やオウム真理教などを持ち出して語られているのでライターが付け足したものかもしれない。残念ながらそのキーワードについて深堀りして語られることはなかったが、関東連合のような不定型な組織を考える上ではとても重要な手掛かりになると思う。

こうした組織の特徴は意識がすべて内側に向けられることで、価値判断の基準がすべて組織の理論に委ねられてしまうところだろう。世界は広い。しかし、その広さゆえに人の心は不安定になり、結果タコツボ化したコミュニティに依存しようとするのが今の社会だと思っている。

関東連合も一つのコミュニティの姿であり、決して特殊な事例ではない。この本を読んで感じたことは何度逮捕されても関東連合は帰属先として機能してしまう困難さであり、そうであるがゆえにリセットされることのない「不良であること」の終わりのなさであった。

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