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2018年1月10日

戦場中毒 撮りに行かずにいられない

横田徹/2015年/文藝春秋/四六

戦場中毒 撮りに行かずにいられないISIS(イスラム国)が世間を騒がせるようになった頃からイスラム教関連の本を読むようになった。これまでもイラク戦争の頃にオルファ・ラムルム『 アルジャジーラとはどういうテレビ局か 』を読んだあたりからちょくちょくイスラム界隈の本は読んでいたが、今はその頃よりも関心領域がイスラム教というかイスラム教のコミュニティへ向かっている。

中田考『 カリフ制再興 ― 未完のプロジェクト、その歴史・理念・未来 』を読んだあたりで少しずつ中心側に足を踏み入れたのだが、今回は再び外側の本を読んだ。外側というのはその日・その瞬間に何が起きたかという事実に主軸が置かれた本のことで、その事実をより深堀してその背景について考えるという類の本ではない。

いわば総論と各論の各論のほうを読んだわけだが、各論ばかり読みすぎると「なぜこの戦いは行われているのか?」ということがさっぱりわからなくなる。著者の横田氏はアフガニスタンにおいてタリバン側とアメリカ側の両方から取材を試みており、そのどちらの兵士にも気前のいい若者たちがいたことを書いている。

戦う武器についてもほとんどがロシアやアメリカで作られたものを双方が使っている。ISISが載っている車が日本製の四輪駆動車だったりするし、新型の武器をアメリカが使い、旧型の武器をイスラム過激派が使うというのも敵と味方に分かれて戦う意味をより曖昧にしている。

そういう意味で現代の戦争を各論で読むことにはやや限界を感じているのだ。

(関連) 戦争と芸術

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