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2006年07月30日

くちびるにだけずっと残ってる最後のあなた

新宿紀伊國屋本店付近新宿へ。

『早稲田文学』を貰う。大塚英志さんが村上隆さんネタを書いている。うーん。大塚さんって文学の世界で辛口な文章を書いているときは、わりとうなづけることが多いんだけど、オタク業界を語るときは、若干パワハラの匂いを感じるときがある。何でだろ?

ビックカメラで外付HDが安く売ってたので勢いで購入。前に買ったのと合わせると、外付で500GBを確保したことになる。伝え聞くところによると、3Dアニメ作家さんはHDでデータを納品したりするらしいので、外付2個持ってても大した話じゃないんだろうな…。

今週もいろいろ勉強になることがたくさんあった。例えば、アニメ『銀河英雄伝説』のオープニングを歌っていたのが、「Monday満ちる」だったというのを Wikipedia で知ったり。

そろそろコミケの巡回サークルチェック

とりあえず東浩紀さんがやってる『 ギートステイト・ハンドブック 』とかは抑えねば。次の小作品を作り始める際に、世界観を考えるのとかが僕的には超面倒臭いので、シェアードワールド的にこのガイドブックを参考にしようかなと検討中。

グロい…

Chili Bucket
by Florent Se'ror & Julien Torre`s & Sarah Dor

こういうのを見ると、大塚英志さんが言っている「キャラクターの内面」とかが、レベルの低い次元で腰砕けになっていくような気がする。でもそういう野蛮性、暴力性に決定的に引かれてる僕は、倫理の面でどうこういう知性を備えていない。単純に面白く見た。

買おうかな…

オタク in USA 』という本が出るらしい。内容がわりと生っぽくて引かれてる。オタクの捉え方について、太田出版のこういう節操のなさとかは嫌いじゃない。

それでも、ハロープロジェクトが面白い

ハロプロの愉しみ方が独特なのは今に始まったことではない。ただ、その方法自体もかなり変遷している気がする。やさぐれ系では、メンバーがヲタ奴隷に送迎させてるとか、台本をヤフオクで転売させているなどの怪情報も飛び出すほどで、そうしたパワーバランスの崩れそのものを愉しんでる輩もいるみたい。

とかいいつつ、実はハロプロって好きな曲が結構ある。

1位 Last Kiss/タンポポ
2位 恋愛レボリューション21/モーニング娘。
3位 あなたなしでは生きてゆけない/ベリーズ工房
4位 ザ☆ピース!/モーニング娘。
5位 ベイビー恋にノックアウト/プッチモニ
6位 抱いてHOLD ON ME!/モーニング娘。

…って、感じでしょうか。古いのが多い気もしますが。

世代間に生まれる音楽格差社会の実像

暴論! ネオアコとテクノは異母兄弟である
サンプリングとパクリと教養の問題

このあたりは完全に世代の問題ですよね。僕より10年上の世代が作る音楽の歴史。定義。僕が小学生の頃、2つ上のお姉ちゃんがグランジブームにすっかりやられていて、俳優ではリバー・フェニックスがカリスマな時代だった。そこから以降の後付けの正史は、きっと僕と同世代のライターさんとかがあと10年位したらいろいろ書くんでしょう。

ちなみに、ネットレーベルの素晴らしいところは、そういった業者同士の陣取り合戦とは一切合切と無縁であるというところである。有機野菜の産地直送便のように中間(既存メディア)を経由しないで直接届いてしまうわけだから。

アイドルが朝起こしてくれるサービス

ネットラジオを繋ぎっぱなしにしてそのまま就寝。朝になったら起こしてくれるというシンプルなもの。時間を設定して、パソコンとソフトが立ち上がって…みたいなことをやる必要ない分、やれそうな気もする。

アニメーターが可哀想…なんだろうか?

アニメーターのわずかな個性も許さないアニメファンに絶望した!
統一性を求めるユーザーに向けたアニメは手描きをやめて3D CGにすればいいんじゃないの?

加野瀬未友さんが書くのだからそうなのかな? …と思いたいんだけど、アニメーターがDVDにするときに修正を入れるのは、週間ベースで雑に作った部分を修正したいという制作サイドの要望じゃないのかな? 漫画家が単行本にするときに、修正入れるのと同じで。追加の3Dの話も含め、実際の描き手にとっては「?」って感じの微妙な文章だったのでクリップ。

Posted by Syun Osawa at 01:55

2006年07月29日

別冊宝島134 編集の学校

西岡文彦/1991年/宝島社/A5

編集の学校勉強になるかと思ってずいぶん昔に買った本。

この歳になって読む本でもなかろうと思いつつも、読んでみるとこれがなかなか素敵なことが書いてある。立花隆『青春漂流』(講談社)を先輩から貰って読んだときのような熱い何やらを思い出したりして。だから全部、うんうん…とは思うんだけどね。ただ、それが仕事にどれくらい反映されるかって言ったらそれはよくわからない。

著者は版画家としての顔も持っており、編集だけでなく美術にも詳しい。ここが僕の場合ポイントだった。文章だけ上手で、どんな媒体でも体よく原稿を整理できる人っていうわけでもないし、一つの思いを核として備えながら編集業に勤しんでいる気がしたから、たぶん最後まで読む気になったのだろう。文系職場で肩身の狭い思いをする理系腐オタとしては、そういう部分に託したい気持ちがあるのかも。

また、本の最後の方で、古い美術収集家の絵いわゆる「画廊画」を例に挙げており、そういったものが編集の側面から認められるべきだという主張は納得できる。おたく展 なんてのは完全にそれを狙っているわけだし。ただ残念なことに、おたく展に関しては「画廊画」的な側面を歪曲して受け取られているようにも思う。

Posted by Syun Osawa at 00:12

2006年07月27日

インディヴィジュアル・プロジェクション

阿部和重/2000年/新潮社/文庫

インディヴィジュアル・プロジェクション予想に反して面白かった。瞬了。

阿部和重さんの作品を読むのはこれが初めて。ハードな文体だったのかどうかは記憶にないが、サクッと読んだ。

阿部さんの作品は、ずいぶん前から何冊か読もうと決めていて、その最初にこれを選んだのだ。芥川賞受賞作「グランドフィナーレ」について、村上龍さんが『文藝春秋』の選評で批判していたから、きっと何やら近いところがあるんだろうと思って読んだらその通りだった。斎藤美奈子さんが『文壇アイドル論』(岩波書店)で村上龍さんに対して書いていた「五分後のニュースショー」が、そのまま当てはまる勢いがある(少なくともこの作品では)。

ネタばれになるが、マサキの別人格がオヌマってオチにして単純に読み終えた(だからオヌマはカメラに映っていなかったんでしょ?)。マサキはオヌマという人格を認識しているが、オヌマはマサキを認識していない。実際にそんなことがあるのかわからんが、イノウエであったり、カヤマであったりと、自分の自我が他人と重なり合っていく感じがとても面白かった。このへんの匂いは『殺し屋イチ』だし。

明確な回答が示されているわけではないので実際のところはどうなのかわからん。投げっぱなしなので、その投げっぱなしの心地よさを押井アニメのように愉しめば問題ないということなんだろうか?

そんなわけで、薄白いもやもや感がないではないが、最後のマサキ?の言葉には共感があって、そこで全部が許せてしまった。私も君も「みんなわたし」という考え方が、多重人格者としての言葉なのか、それとも都会を生きる若者達への言葉なのか。おそらくそのどちらでもあって、その部分に惹かれてしまった。作品の好き嫌いに関わらず、同じ時代を生きる近い世代の作家さんには、この手の共感めいたものがあって面白い。次は何読むかな。

文庫版の解説を東浩紀さんが書いていた。自分語りが凄かった。喫茶店にコーヒー飲みに言ったら、無料サービスと称してキムチが出てきた、みたいな食い合わせの悪さが文庫版の食感。

Posted by Syun Osawa at 00:15

2006年07月25日

文学者の戦争責任(資料集42)

吉本隆明/2004年/猫々堂/A5

文学者の戦争責任吉本隆明さんの処女作…の復刻版。

全集という商法はあまり好きではなく、できることなら最初に刊行された本とほぼ近い形で読みたいという嗜好ゆえ、猫々堂さんによる復刻版はとてもありがたい(本来は武井明夫さんとの共著なのだが、この本は吉本さんの部分だけを抜粋して復元されている)。

戦後10年の間に起きた左翼系の戦争責任批判に一石を投じて有名になった本。らしい。疑ファシズムと疑共産主義が蔓延する日本では、その両者は入れ替え可能とし、火野葦平と小林多喜二を同列に挙げているところなども面白い。全体主義を大枠に見ながらの主張が、P.F.ドラッカーの『 「経済人」の終り 』にも近くかなりの部分で共感できた。

転向の問題というのは、同じレールの上にあるからこそ可能だということが、新しい教科書をつくる会に元共産党員がいることなどからもわかる。結局、右翼や左翼というのはX軸の右左の問題に過ぎないのだろう(そのとき、Y軸は全体主義と個人主義が当てはまると思う)。吉本さんは「戦後詩人論」の中でプロレタリア詩人についてこう書いている。

プロレタリア詩人は、これと丁度うら返しに、戦争期にはいって、ファッショ的な詩をかきまくって、その社会意識が、内部意識の進化ということに裏打ちされていない衣装にすぎず、社会的な関心、現実への傾斜という事を軸にして、コミュニズムへもファシズムへも、ただちに移行できる精神構造の未熟さを露呈した。

このことが未熟さゆえなのかは次の課題としよう。

(関連)戦争と芸術

Posted by Syun Osawa at 00:42

2006年07月23日

買ったり、借りたり、見たり、聴いたり

風邪ひいた…。鼻水が止まらない。

通販で『ユリイカ』5月号(青土社)を買う。この号は藤田嗣治特集で、村上隆さん&椹木野衣さんの対談、大塚英志さん、会田誠さんのコラムというプロレス的な要素に加えて、近藤史人さんや河田朋久さんらが原稿を寄せており、そつなく良い感じだったので、念のため抑えておくことに。

そのほか、古本屋で『コミック昭和史』全8巻(水木しげる/講談社)、本屋で『メカビ』創刊号(講談社)を購入(結局、買うんかい)。

高度な外国人の勧誘法

外国人の男性が英語で話しかける。1ヶ月から2年ほど留学経験のある女性は「ここぞ」とばかりに英語で返す。グングン話す。勧誘される。

「勧誘も進化してるなぁ」とその様子を横目に見ながら歩いていると、突然、外国人の女性に高島屋の場所を英語で尋ねられた。僕は手で「ついて来なさい」と合図し、二人でしばらく歩いた後、高島屋のでっかい建物を指差して「ゴー!」と行った。

そしたら、その人、怪訝そうな表情で高島屋のほうへ歩いていった。コミュニケーションってすごく高度なものなんだ。そんなことを、この歳になってもよくわかっていない。

WMPの再生リストをようやく使い始める

ネットラジオを連続再生させて聴く方法って実はあまり紹介されていない気がする。声優系の番組はWMP専用ファイルで公開されていることが多いので、仕方なくWMPを使うって連続再生を試みる。

[再生]―[連続再生]にチェックした後、[ファイル]―[ライブラリに追加]―[URLを追加]を選択し、そこに聴く予定のネットラジオの直リンクアドレスを放り込む。そうすると、ライブラリの「その他のメディア」に追加されていく。すごくわかりにくい。

その点、再生位置を弄れなくなることをのぞけば、愛用の XMPlay の方が断然シンプルで使いやすい。

声優ネタを書いていたら かーずSP戯れ言 に取り上げられていて、ちょっと感動。カリスマて…ありえないですw

田中雄二さんのブログですよ☆

『電子音楽 in JAPAN』田中雄二さんのブログ

アルカンタラの熱い夏 より。フリッパーズネタ とか、半自伝 とか回顧的な内容のボリュームに圧倒されまくり。ついでに、『 Digi@SPA! 』の発行人が田中雄二さんであることも知った。蛙男商会さんと塚原さんが出ているというのでチョロッと見ただけだったんだけど、今後ちょっと気にしてみようかな。

ちなみに『電子音楽 in JAPAN』は、最後の方にPSY'Sのことが書かれていて、僕が小学生の頃に好きで聴いていたミュージシャンが自分の嗜好の中に納まってしまうことを知らされた本だったりします。

韓国特有のポップさがつまったPVアニメ

前から ちょいとひっかかっている 『 アチとシパク 』というアニメの 宣伝用PV らしい。日本で公開されるとは思わないが、DVDくらいは売って欲しいものですね。

ループペダルのサンプラー

KTタントスールのパフォーマンス

スタジオ粋京 さん経由で知る。このライブ映像 はたしかにカッコイイ。サンプラーの正しい使い方。電子音楽の即興性はただ「やみくも」なだけでなく、こういう形での進化も僕は好きだったりする。

何気に僕は岡田斗司夫派だったり

クリエイターインタビュー特集・岡田斗司夫

『プチクリ』が各所で批判の的だったり、ロフトプラスワンのイベントが微妙で集中砲火を浴びたりと、オタク論壇(あんの?)で苦境に立たされている岡田さん。でもインタビューの内容はわりとまともな気がするんだけどなぁ。

というわけで、僕は岡田派だったりする。小学生の時に『 王立宇宙軍 オネアミスの翼 』を見てしまったから仕方ない。それ以降からエヴァまでのガイナックスにヤラれまくりだったから仕方ない。で、今から『プチクリ』を読むところ。

Posted by Syun Osawa at 00:24

2006年07月20日

FLASHアニメのラフはFLASHで描く

[mn012] va - movin on の没バージョンのラフ。


通常は手描きでラフを描いて、それをスキャナで取り込んだ上で動画を作っているのですが、これはFLASH上でラフを描き、ついでに動画も加えてしまったという今っぽい没ラフです。

当然のことながら、こんな公園はどこにもなく、妄想の中で愉しむためのラフ動画です。こういうのを手際よくやる練習を地道にしています。

今年はちょっと本気で動画のクオリティを上げようと決意。

Posted by Syun Osawa at 00:02

2006年07月18日

高校野球とレモンエンジェルプロジェクトと熱風

高校野球 埼玉大会大宮で何故か高校野球を見た。

しかも一回戦。埼玉栄と本庄という、どちらも全く知らない学校同士の試合だったけど、応援に来てる高校生も含め青春の熱いヤツがビシビシ出ていて妙に感動してしまった。やっぱし、高校生はこうでないと。

そんな中、埼玉栄のピッチャーがやたら速い球を投げていて気になった。そのうえ4番打者で、2打席目にはドカンとホームランも打った。素人目に見ても、明らかに他の選手とは違う化け物感が漂っており、「こういう選手がプロに行くのかね?」「いやいや。こういう選手のさらに上をいくのがプロにいくんだよ。まだ一回戦だよ?」なんて会話をしていたら…

どうやら すごい選手だったみたい。納得。

10年ぶりに高校野球(しかも地方大会の一回戦)を生で見たが、すごい選手を見ることができて、ちょっと得した気分です。

レモンエンジェルプロジェクトのイベント☆

かつてPerfumeも イベント をやっていた亀戸サンストリートにて、『 レモンエンジェルプロジェクト 』のネットラジオの公開録音イベントを見た。小清水亜美さんをはじめ、門脇舞さんや茅原実里さんなんかもゲストで参加されており、嬉しすぎて、もうおなか一杯です。

さらに清水香里さんの流暢な司会ぶりと、メンバー全員で歌った一曲だけのライブに感動。盛り上がりまくりでした。茅原実里さんのブログ に感想あり。

それにしても声優稼業も大変ですな。屋外のステージの上で、1度も舞台からはけないまま1時間半立ちっぱなし。あれは過酷でしょ。ゲームとかライブやったりで汗だくなのに、笑顔を絶やさない。プロだよねぇ。

いろいろな事柄を接木する本を購入

本屋で『文学界』7月号(文藝春秋)を購入。理由は、小谷野敦さんの「悲望」という小説が掲載されているから。僕的には3次元ルサンチマンが2次元へ昇華する間を繋ぐ重要な文献のように思えたので即購入した。これだけのために買う価値があるかどうかは不明ではあるが。

逆に『メカビ』が予想以上にデカく、こちらは二の足を踏んでしまった。あんなサイズ、電車内とかドトールで読めねーつーの。キモいおっさんだけど、そこまで達観してないんだよ。B5サイズとかは、カバーかけてくれないって事を知ろうよ、出版社さん。というわけで、余ったお金で、時流に乗って『ハルヒ』を購入。

あと、今月号のジブリのフリーペーパー『熱風』は、『王と鳥』の特集を組んでいる。書き手のチョイスもなかなか素敵。先月号は宮崎駿さんのインタビューが載ってたりして、最近はアニメに絡んだ傾向が強くなってる感じ。今後も続けて欲しいものです。

Posted by Syun Osawa at 01:10

2006年07月14日

藤田嗣治展

2006年3月28日−5月21日/東京国立近代美術館

藤田嗣治展おなか一杯。

藤田嗣治関係の本をしこしこと読んできたこともあって、実際に生で作品を見ることができて妙な感慨に浸ってしまった。戦争画がらみで藤田さんの作品を見始めたこともあり、《アッツ島玉砕》を始めとする戦争画群についてはいろいろな思いはあるが、今回はそれとは別の「主線」と「子どもの絵」について特に注目して見た。

まずは「主線」について。

藤田さんが活躍した1900年代前半は、画家が海外に出る数は今に比べるとずっと少なかった。とはいえそれなりの数の画家が海外にわたっており、彼らは自分達のアイデンティティの所在を迫られ、海外で受ける浮世絵風な画風に安易に手を出すケースが少なくなかったらしい。当然、海外の批評家の中にはそれを厳しく批判するもの者あった。

そして、藤田さんがブレイクした乳白色の肌の絵も、面相筆で墨の主線を描いたものであった。そこに浮世絵の何やらがあることは否定できないし、僕には安易にそれに飛びついたようにも見える。今回の展示会で併催されていたトークイベントで、客の一人が「藤田は学生時代に日本画を学んでいたのか?」と質問をしていたが、講演者から明快な回答はなかった。

ちなみに、彼がパリで最初に自身の傑作だと思った《巴里城門》(1914年)には主線は存在しない。そして、彼は乳白色の絵のブレイクの後も、主線のある絵とない絵を交互に描き続けていくことになる。

実際に絵を眺めてみて、僕は彼は日本画をそれほど深く学んでいないように見えた。あくまで藤田のオリジナルの追及があったからこそ彼のブレイクはあったのではないかと妄想している。下書で主線を描いた後、着色の際に背景色と身体の色で下書の主線を塗りつぶし、その境目をなんらかの方法でぼかしている。その後、面相筆で主線を入れなおしている。彼の自画像を見ると、鉛筆立てにペン先も置いてあったので、もしかしたらペンも使っていたのかもしれない。

もしも藤田さんが日本画一般を深く学んでいたとしたら、当時流行していた「主線をあえて描かず、色と色の間をギリギリに空けることで主線を浮かび上がらせる手法」なども取り入れていたのではないかと思う。このへんの事情はまだよくわからない。当時の日本画と彼の絵の差をゆっくり比べてみたいと思う。

「子どもの絵」について。

晩年にたくさん描かれた、視点の定まらない子どもの絵と同系の作品が1920年にすでに描かれているのを知った。戦争画以降、その手の絵に取り組んだのだと思っていたので、ちょっと意外な感じがする。この点については、考え方を少し変えねばならない。ずっと生で見たかった《アージュ・メカニック》(1958-59年)を見ることができてよかった。

戦争と芸術 がらみで戦争画についても触れねばならない。ただ今回は触れないでおこう。戦争画については今描かれている戦争漫画なども含めもっと幅広く勉強してから、もう一度彼の作品に戻りたいという思いがあるからだ。彼の作品は世界の戦争画の中でもかなりのオリジナリティを発揮しているように見えるので、そのあたりも含めて課題という感じ。

ところで、藤田さんってピアスとタトゥーしてんだよね。
それが最高にカッコいい(そこ?)。

(関連)戦争と芸術

Posted by Syun Osawa at 00:32

2006年07月12日

どーでもいい事にばかりひっかかる…

何を勘違いしたのかPerfumeの1stアルバムを求めてTSUTAYAへ。8月発売だから当然売ってない。運良くキャンペーンをやっていたので、『太陽の法』『黄金の法』を借りてみようと思ったら両方とも貸し出し中だった。何か歯車が噛み合ってない。全部仕事が原因かぁ!?

書店に立ち寄ると、『アニメーションノート』の第2号が出てたんで購入。このペースで出るなら毎度買いたい。版元が誠文堂新光社な時点でどこぞの編プロの持ち込み企画だと思われるが、結構頑張ってる感じが好印象です(今のところ)。

宣伝誌『ちくま』7月号(筑摩書房)で竹熊さんの対談を発見。FLASHアニメに関する言及あり。無料誌『あとん』7月号(アートン)の少年犯罪特集で、プロパガンダ映画についての言及あり。最近はデイリーストアーヤマザキにわざわざ『UPPER class』っていう格闘系フリーペーパーを貰いに行ったりもしてるし、ほんと貧乏人根性丸出しだよ…。

東浩紀さんのネットラジオを4時間も聴く

GEET STATE 関連で放送されたラジオ。日本SF大会の会場から、東浩紀さん、小説家の桜坂洋さん、新城カズマさんの三人が「SF2.0」をお題にトーク。結局は酔っ払いのグダグダ話だったのだが、何気に待ち望んでいた企画だったので嬉しかった。

ブログ を見ると、2ちゃんの実況スレとの連動が気に入ったみたい。ねとらじ の隆盛なんてスレ読みラジオそのものだったんだけどなぁ…。

Buzy解散ですか…

公式サイト で発表。COLOR時代に続き、2度目の解散と相成りました。二回もデビューできたんだから幸せな方だよね。名曲「翼がなくても」も残したし…。

僕の場合はアミューズの合宿所を24時間流していたWebカメラから、BEE-HIVEにハマったので、寂しい気持ちで一杯です。Webカメラのアーカイブは主要どころはほぼ保存してますが、今見返すと何だか泣けますね。超リアルな青春が詰まってるので、今後も僕の宝になると思う。

新海誠さんの新作、予告動画公開☆

秒速5センチメートル
キタねー。いいですねー。秒速5センチメートルって事は、時速1.8キロメートルなんだよね。成人の歩く速度が時速4キロメートルだから、このノロさに何かがあるのかな? この背景 を見て『おもいでぽろぽろ』のベニ花畑を見たときと同じヤバさを感じてしまった。「写真みたいは褒め言葉ではない」という意味で。

(追記)2006年07月12日 22:31
時速1.8キロメートルじゃなくて、時速180メートルでした;;

動かないアニメも声優次第でオールオッケー☆

アニメーションは「動画」なんだけど、動いていなくてもオッケー的な雰囲気がある。この点について、愛聴している 君のぞラジオ の第67回放送に、とても参考になる作品が公開されている。興味のある方は「七夕ものがたり」をクリック、クリック。絵がアレでも、その絵に豪華な声優陣の声が重なるだけで「物語」は成立してしまう。その極点的な作品としての好例です。

日本女性グループがドイツでデビュー

BBRK より。SHANADOO っていうグループらしい。先日 ネットレーベルに登場する日本女性について書いたが、いかにもって感じなんですよね。日本の女性が、海外で「日本」を引用するという流れは、自分の中の一つのひっかかりです。安直なネタだけど、ライターさんとかは注目すべきアンテナだと思いまっせ。

戦前のプロレタリア運動が好きなわけ

ロシア・アヴァンギャルドとか、戦争画とかを勉強していることとも繋がる話として、僕は戦前のプロレタリア運動にも興味を持っている。こういう事を書くと「サヨ」っていうレッテルを貼られてしまうらしいのだけど、残念ながら僕自身はマルクス主義者でもなんでもない(つか、そんなことはどーでもいい)。この頃の若者に坂本竜馬らと同じ匂いを感じているに過ぎない。その理由は以下の三つ。

1. 若い
2. 変革を求めている
3. 女にモテる(男前含む)

これについては、上野壮夫さんの若い頃の写真を見たときに確信。

くつひもを留める道具

シューフィッター という、そのままなネーミングがひっかかり。僕の靴は、右側の靴紐が何度結んでもすぐにほどけてしまうので、そのときに買おうかと思った品。だが購買意欲はまだ湧かない。その理由はフィッターした靴ヒモを下の方で結んでまとめているところがややダサいこと。そこさえ改善されれば買ってみたい。

Posted by Syun Osawa at 01:25

2006年07月10日

今日もどこかで自分メモ

一週間でメモった、いろいろと思うことトピックス。

ピンクパンダと少年カミカゼのプチ流出事件

少年カミカゼのボーカルのブログに「繭」さんへ向けたメールがアップされた事件。繭さんはどうやら ピンクパンダのボーカル らしい。最近多いですね、疋田紗也さんとかいろいろ。ファンには酷かもしれませんが、僕的には逆にエロくて良い感じかなぁ…と思ったりしております。

ケモノヅメの主演って椎名へきるさんなんだね…

ケモノヅメ 』は『 マインドゲーム 』の監督を務めた湯浅政明さんのオリジナルアニメ作品。椎名へきるさんが5年ぶりの声優って、湯浅さん…まさかファンなんじゃ? まさかね。庵野さんじゃあるまいし…。

監督のオリジナル作品というのが最近増えているような気がするが、これって新海誠さんとかがやってる流れとクロスオーバーしていて、結局のところ同じだったりする。だとすると、本当にアニメをやりたいなら、やっぱりインディーズアニメではなく最初からアニメ制作会社に入るのが順当なんだろうなぁと、当たり前のことを思ったり(思わなかったり)。

RABIT

[08:51s] by Run Wake web

いわゆる「行って来い」のストーリー。古典的な寓話を軸にしながら、現代社会のゲーム的な日常を描くという、とても今っぽい作品でもある。音楽も含め、この今っぽさは僕がいま一番興味を持っているポイントでもあるので、その豪腕ぶりに「ぐぅ〜っ」と唸ってしまった。悔しいけど、素敵です。

あっ!とおどろく放送局にのんちゃんが登場したらしい

のす日和 で知る。あっ!とおどろく放送局東長崎機関 の加藤健二郎さんがやってた番組しか見た事がない。サイトそのものを超久々に見たら、なんか充実してて驚き。ブロードバンドTVの波は本気で来てる感じがする。

『デジハリムービー』はGyaOのデジハリ枠?

デジハリームービー の話。インディーズアニメの発表の場として、GyaOを狙っている人は少なくないと思う。そんな中、最近『アルツハイム』が公開されたが、商業アニメだけで事足りている現状では、今後インディーズアニメがGyaO的なブロードバンドTVで放映されるという流れも厳しいのかもしれない。そんな中でのデジハリ枠? …ってだけの話です。ひっかかりは。

小森陽一って二人いるんだ…

「憲法9条を守る会」とかやってる小森陽一さんが、『海猿』の原案(あと、スピリッツのヤツとか)やってて、何て幅の広い人なんだと羨望のまなざしで見てたんだけど、別人だったようだ(今さら?)。

週末に降る雨の名称

毎週、週末になると雨が降り出して洗濯物が半乾きになってしまう。こういうウザい「週末雨」のことを上手に表した言葉って何なんだろう? 無いんだったらつくってほしい。

Posted by Syun Osawa at 00:58

2006年07月06日

TWILIGHT

なかむらたかし/2006年/アニメスタイル/漫画/A5

TWILIGHT表紙からして、なかむらたかしさんの色が出てる。熱量おさえ気味でもの悲しげな雰囲気。しかもサイン本だし。

彼が監督したアニメは『 パルムの樹 』と『 ロボット・カーニバル 』しか見てないけど、この本を読むと、SF属性の強い人だったんだってことがよくわかる。

『夢の中へ』の時間軸をズラした切ないオチとか、『亜星人2.9』のSF的な展開なんかは、なかむらさんの創作に対する嗜好が色濃く出ていて読み応えがあった。また『星の風』に至っては、虚無感というか空虚感のようなものが漂っていて、深みがあるのかないのかわからんような雰囲気だった。この不思議な雰囲気もなかむらさんの特徴といえば特徴か。

『星の風』の不思議な読後感もさることながら、『夢の中へ』の中にあった恋愛感は『 パルムの樹 』を見たときに感じた思いとちょっとダブった。何ていうかなー? うーんと、上手く言えそうもない。

いずれにせよ、なかむらたかしさんのように、自分のオリジナルのアニメ作品をつくる人は数が少ないだけに、僕はいつまでもついていきます! もちろんそのためには、なかむらさんのモチベーションが続くかないといけないんだけど、漫画の最後に収録されていた新作「TWILIGHT」を読んだらトンデモなオチだったんで、無用な心配でした。

Posted by Syun Osawa at 23:57

2006年07月04日

「経済人」の終わり

P.F.ドラッカー/1997年/ダイヤモンド社/四六

「経済人」の終わり読み応えありまくりの本だった。

この本の著者は経済に関する本で有名な方。ところがなぜか処女作は全体主義についての本だった(つまりこの本)。興味深いのは、この本が書き始められたのが1933年で、出版されたのが1939年4月である点だ。つまり第二次世界大戦が始まる5ヶ月前である。

戦後の後出しジャンケンならいくらでも優秀な人が語っていると思うんですけど、戦前にこれだけスッキリと全体主義について語っている本ってそんなに多くはないんじゃないだろうか? とにかく簡潔、明瞭、わかりやすい。

まず、ファシズムの隆盛の最大の原因をマルクス社会主義の失敗としているところにひかれた。ここで言う失敗とは、ヴィーリ・ミリマノフ『 ロシア・アヴァンギャルドと20世紀の美的革命 』(未来社)で指摘されていたロシア・アヴァンギャルドの終り。つまり〈ユートピアの終焉〉のことである。

失業という魔物をマルクス社会主義は退治することができなかった。そこにあらわれた魔法使いとしてのナチス(本当にそう書いてある)。大衆は、今度こそ奇跡が起こるに違いないと思ってナチスに乗っかった。

著者はこの状況を冷静に眺めながら「軌跡なんか起きないよ」と言っている訳ですな。そして、ナチスのプロパガンダは、大衆がその魔法から解けないようにするために行なわれる。つまり、プロパガンダってのは絶望の淵に立たされた貧乏人にのみ有効なもので、そんな貧乏人が信じた奇跡に真実味を与えるものに他ならない。うんうん。なんかいい感じ。

さらに、マルクス社会主義とファシズムは、結果として同じであると言い切っているところも興味深い。ヒトラーとスターリンに共通性を見出し、両者が手を組むことの危険性を指摘している。

現実にはナチスはソ連を侵攻し、それが痛手となり崩壊を早める結果になった。しかし、実際に手を組んでいたらどうなっていたか? このあたりのことを考えると、著者はなかなか先見性があるというか、時代の捉え方に説得力があるなぁと思った次第。

ナチスとスターリン時代のソ連について、両者が推進したプロパガンダ芸術を目的美術として考えたとき、この本の中に書かれていた時代の捉え方というのはとても的を射ている気がする。とりあえず今の段階では、この人の話を信じてみようと思う。

読み応えがありすぎて、このまま図書館へ返すのが惜しい。古本屋で見つけたら買い直そう。

(関連)戦争と芸術

Posted by Syun Osawa at 00:08

2006年07月02日

当然、ワールドカップは見てますが…

「イングランド vs ポルトガル」戦が終わって「フランス vs ブラジル」戦が始まるまでの時間潰しで書いてます。実はサッカー部だったりしたので、88年のオランダに衝撃を受けて以降、90年のワールドカップからずっと見てたりします。語りはしませんが。

ここ最近の自分トピックス

友情のエール
ごちゃまぜ金曜日の吉岡美穂さん経由で知る。斎藤和義さんが出てた。

KiraKiraメロディ学園の存在を知る
PRIDE〜好きにならず にいられない〜(動画)
大好き!(動画)
メンバーのその後 は、桜っ子クラブもビックリの感じなんですねぇ。

それなんて韓国のStudio4℃?
Studio2.0かぁ…。東浩紀さんのSF2.0も含め、無いなぁ…w

和田義彦さんを推薦したのは瀧悌三さんだった!
『日本近代美術事件史』の瀧悌三さんが和田さんを推薦したというのが面白い。アサ芸的な感性で推薦したとしたら、なお面白い。

うがやブログ炎上事件
いろいろなサイトで、このネタについて書かれているが、影の支配者に言及していないところにツメの弱さがある。内容など問題ではなく、誰がどこから金を引っ張るか。そいつが重要。大手出版社の編集者は、高収益を上げるラインの上で活躍していたに過ぎず、結局のところ、能力以上にそのシステムがお金を稼いでくれていただけの話だったりする。

こういうのはセンスだよなぁ…
ただ、3Dの上で2Dのイラストが流れているだけなんだけどね。3Dの勉強をしようと思って、何年も過ぎてしまった…。PV作りたいなぁ…。構想はかなりたくさんあるんだけど。

声優系ネットラジオを聴いていると…
送られてきたメールで、自分のことを「俺」と書く人が多い。挨拶とか含めてやたら丁寧な人と男っぽさを匂わせる俺メールの2パターン。毎度ひっかかる。

最近のネットレーベル
最近の海外のネットレーベルからリリースされている楽曲には、日本女性の語りとか歌が入っているものが多い。煩悩とか禅とか、やたらと日本的な語り口が気になる。日本にいた頃にそういったことに注力していたのなら納得できるが、絶対にそうではないだろう。海外に出て、日本人としてのアイデンティティを問われた後、苦し紛れに日本的なものを引用したと映るのは僕だけだろうか。

出世魚的な編集者の呼称
出版社から独立するとフリーの編集者になる。編集プロダクションや出版社で働いているアルバイト編集者はフリーターという。竹熊さんクラスになると編集家になる。

泣いている銅像はよくできている
街でたまに見かける「泣いている銅像」の涙は、雨水の酸性によって銅像が溶けたってだけの話。ただその溶け方で涙が流れているように見えるっていう事は、顔のおうとつを正確に捉えているという事。

GyaOとDOINGがかなり良い
声優系ネット番組とネットテレビ番組の充実が目覚しい。この点については好みのさじ加減でしかないが、テレビでは不遇な扱いを受けてしまう硬派な音楽番組を見ることができるのが最高に素晴らしい。

少女が戦争へ行くのがデフォな昨今
堀江由衣さんが降板したことで話題になった「 ぴくせる☆まりんたん 」のWEBコミックが怪しげで、戦争と芸術 関連でメモ。

Terragen 2
ちょっとだけ遊んで、すぐに使わなくなったTerragen。Terragen 2のギャラリー を見て胸躍ってしまった。さらに 動画 が衝撃的で…3D凄い。

榊原ゆい公式サイト
ウェブラジオを聴いてしばらくたつ。エロ系の声優をカミングアウトした上での活動というのが面白い。

理科室の分銅
分銅って洗ってはいけない道具だから、何十年も前からある分銅って、すごい手垢なんだろうか…

最近、好きなイラストレーター
この人の絵はシンプルに引き込まれる。眼力がヤバイ。

Posted by Syun Osawa at 03:41